2018.02.25

屋根裏の藁縄付け替え

本日の作業は縄を結ぶことがテーマです。
農村においてロープワークは何かと便利。TPOに応じていろんな結び方があり、知っておくと暮らしに大いに役立ちます。
作業自体は屋根裏でしますが、まずは明るい土間でウォーミングアップ。柱にくくりつけて結び方を確認。

自衛隊で仕事をされていたというYさん。
レンジャー訓練などでロープワークは必須だけに、いろんな結び方を知っておられるようです。


土間でのウォーミングアップを終えていざ屋根裏へ。

屋根裏に上ると外からは鉄板で覆われて見えなかった茅葺きの様子がよくわかります。釘を一本も使わず丸太と竹を藁縄で縛って組まれている茅葺き屋根の下地。暮らしの知恵が結集したような手仕事の美しさがあります。

柱に刻まれているのは大工さんが釿ではつった跡。古いモノ好きにはたまりません。

長い歴史を経てきた縄はススで真っ黒。ゆるんでいたり切れていたりするのでこれを新しい藁縄で締め直していきます。

まず古い縄を鋏で切ります。

縄を完全に取り除きます。


そこに新しい藁縄をくくりつけていきます。

古民家暮らしに憧れているMさん。なつ杜プロジェクトに通ううちにユンボの運転も覚えました。飲み込みが早くて手際がいい。縄結びもお上手。

全体重をかけてグッグッと締めていきます。

最後は「男結び」。結びやすいが解けにくく非常に強度が強い結び方です。簡単そうなんですがやってみると何故か上手く結ぶことができない。

結び目ができたら最後に鋏でパチンと。


ロープワーク女子。かっこいいですね。

こちらは坂井さん。若い頃修行されていた経験もあって見事な縄さばき。

丸太を結束していた縄が数百年ぶりに新しくつけかえられていきます。

前回の作業からの時間の長さを考えると感慨深いものがあります。
当時は村人みんなで共同作業をしていたのでしょうか。

頭上にはあるのは煙抜きの三角穴。屋根裏に充満した囲炉裏の煙が、この穴から出て行きます。

数百年の時間が経過した「縄」とこれから新しく時を刻んでいく「縄」。縄のコントラスト。

軽快に作業は進んでいったのですが…やっかいな問題が発生。

丸太の端部がずり落ちていてうまく結束できない。下から持ち上げようとしても「うーんダメだ」

そこへロープ使いのYさん登場。

手際よくロープを柱にひっかけて…

棟木を支えている棟持柱を支点にして…。

グイグイと万力の要領で締め上げていくと….

「よーし持ち上がった!」

ロープが扱えるようになると、いろんなことが出来るんですね。ロープワークの大切さを再認識した1日となりました。
Mさんの手袋も真っ黒。おつかれさまでした。

今日の成果をご紹介。スッキリとした締め方。

こちらはバッテンで結束。人によって個性が出ていてなかなか素敵です。

屋根裏のロープワーク。本日はこれにて終了。

【なつかしさの杜】
能勢のシンボルツリー「野間の大ケヤキ」が見える場所にある古民家を2015年から再生するプロジェクトを進めています。活動日は毎月第2・第4日曜日。一日参加の方はお弁当付き。見学自由。

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